【質問】頸椎椎間板ヘルニアの手術を受けた場合、 後遺症や不随などの可能性があるのでしょうか? 頸椎椎間板へルニアを持っています。 症状はまだ軽く、首を動かすと支障があるくらいです。 首を下に向けるのは容易なことなのですが、 上を向くとかなりの激痛が首に走ります。 病院でレントゲンを撮ってもらったところ、頸椎椎間板ヘルニアだと診断されました。 原因はどちらかと言えば年齢的なものだそうです。 今は痛みどめや炎症止めで様子を見ていますが、 悪化する可能性もあり、悪化すれば手術になることもあると言われました。 この年まで、特に大きな病気をすることもなく生きてきたせいか、ここだけの話、手術などという話をされただけで、 怖くて仕方ありません。 そんな気持ちを知ってか知らずか、周りの人もいろんな情報を持ってきてくれ、 大丈夫だと言ってくれる人もいれば、頸椎椎間板ヘルニアは 手術になると大変だと驚かす人もいます。 親切で教えてくれているのでしょうが、はた迷惑な情報なども耳に入り、余計な心配が増えるばかりです。 そこでお詳しい方にぜひ教えていただきたいです。 頸椎椎間板ヘルニアで手術をした場合、後遺症が残ったり、 不随になってしまったり、そんな可能性はあるのでしょうか? もし可能性があったとして、何%くらいの確率でそうなってしまうのでしょうか? また、軽度、中度、重度と、どの場合に確率が高くなるのでしょうか? 教えてください。 よろしくお願いします。 ■椎間板ヘルニアってなに? ヘルニアとは英語で飛び出る、飛び出すという意味です。 通常あるべき場所から飛び出すことをヘルニアといいます。 そして椎間板は背骨と背骨のクッションの役割となる軟骨の一種を指します。 椎間板ヘルニアとは椎間板が正常な場所から飛び出して神経を圧迫している状態です。 また、椎間板ヘルニアは脱出型と膨隆型の二種類のタイプに分けることが出来ます。 ○脱出型 まず、椎間板の構造から説明します。 椎間板の内部には髄核があり、外側には繊維輪と呼ばれる壁があります。 脱出型はこの髄核が外側の壁である繊維輪を突き破って出てくる症状です。 脱出型になると激しい痛みに襲われます。 しかし髄核を内部に押し込めればいいので改善は比較的早いと言われます。 ○膨隆型 脱出型に比べて膨隆型は繊維輪を変形させてしまいます。 内部にある髄核が何らかの原因で圧迫され続けてしまい、繊維輪が変形してしまうのです。 そのため変形した繊維輪の一部が神経を圧迫してジワジワと痛み出します。 脱出型に比べると症状自体は弱いのですが、変形した繊維輪の回復に時間を要します。 ■どうしてなるの? 椎間板ヘルニアは腰への負担が原因で引き起こされます。 慢性的な腰痛、突然おきるギックリ腰など、無防備に腰だけに負荷をかけすぎた結果なのです。 日頃から腰にたいする不摂生で今までの生活に支障をきたすことになりかねません。 痛みだけならまだしも、神経の圧迫による痺れや脱力感、虚脱感も伴うこともあります。 最悪の場合は歩けなくなることもあるのです。 腰痛だから仕方ない、ギックリ腰をやってから腰が悪くなったから薬で抑える。 このようなことをくりかえすと椎間板ヘルニアになってしまう可能性が高くなります。 椎間板ヘルニアは腰痛とは全然違う痛みに襲われます。 神経圧迫という身体内部で起こる症状なので、薬での対処が難しくなるのです。 普段から腰痛に悩んでいる人は注意してください。 痛みの違いは自分自身でなければわかりません。 いままで感じたことのないような痛みに襲われたら自分で対処しようとしないでください。 必ず早急に専門治療院の受診をし、専門医の治療を受けることが得策です。 ■どんな治療方法があるの? 椎間板ヘルニアでは薬物療法と手術治療があります。 投薬治療で経過をみても改善されず悪化さている場合に手術を行うケースがあります。 手術にも種類があり、全身麻酔をかけて切開するものから日帰りできるものまで様々です。 中でも身体に一番負担がかからない手術と言われているのが内視鏡視下手術です。 知り合いの調理師はこの手術をして1週間で退院、再発もなく快適に過ごしています。 術後の後遺症は主に痛み、神経痛、しびれや疼痛です。 後遺症が起こる原因は多々あります。 ヘルニアがちゃんと摘出されていなかった。 実はヘルニアが複数あって気づいていなかった。 合併症を引き起こしているのにヘルニアの治療だけをしていた。 要は手術の結果不良です。 上記に挙げた例はすべて医師の術式に原因があるものです。 しかし患者さんに原因がある場合もあります。 それは患者さん自身の怠慢によるものです。 少しの痛みだから寝ていれば治る、手術を受ける勇気がないから投薬で治したい。 100%完治できる時期に手術せずに神経を損傷してから手術を受けても治りません。 それどころか後遺症が残ってしまいます。 後遺症を残さないためには早めの受診、治療が必要ということです。 |